2011/01/31

2011年始まったと思ったらもう2月。

あっという間に1月も終わりです。

今年の発表・講演は1.8-9の第22回日本臨床微生物学会(岡山)で始まりました。9日のシンポジウムⅢ「血液培養:より有用かつ適正な検査を目指して」にて「全病院的な血液培養陽性症例に対する臨床介入の実践と効果」というテーマで話しました。
抄録にも書いたのですが、感染制御の目的が院内感染症の発症する可能性を最小限にし、もし発症した場合の治療成功する可能性を最大限にすることであるからには、 院内感染症の診療に踏み込むことは感染制御部の大きな役割の一つであり、血培採取状況はそのような院内感染制御の水準を反映する指標の一つであるとさえ言えるかもしれないと考えています。そのためには各病院が血液培養の採取と検出菌の状況を正しく、かつ客観的に把握するところから始めなければならないと思います。国内の血培の現状に関する多施設調査を実施するという目標に向けて懇意にしている他施設の某先生と計画を進めてきましたが、このシンポジウムはそれの実現に向けたいい弾みになる形にまとまったと若干自画自賛しています。

2.5は昼間は東京に真菌症フォーラムに行きます。ポスターセッションの座長とカンジダ症診療のプロジェクトの紹介役を仰せつかっています。でトンボ帰って第11回レジ感(メルパルク京都)です。今回はどうも私が症例プレゼンすることになりそうです。


2.18には姫路(姫路感染対策フォーラム)に院内感染対策の講演をしに行きます。同門の大先輩の先生からのご指名シリーズです。毎度緊張しますがありがたいことです。

翌2.19は第26回日本環境感染学会総会(横浜)にてシンポジウム25「耐性菌の基礎から疫学まで」の演者として話をします。「耐性菌による感染症の治療法とその難しさ」が与えられたテーマです。感染症の治療のモダリティは抗菌薬とフォーカス制御(排膿、デブリドマン、留置物抜去など)しかありませんので治療の難しさは診断の難しさとほとんどイコールです。耐性菌検出例でもそれが起因菌であるか否かの判断が最も難しい点ですから、やれコリスチンだ、併用による相乗効果だと先走る前に、たとえ耐性菌感染でなくても感染症診療で気をつけなければならないことは何かということに主軸をおいた話にしようかと考えています。

2.24は第38回日本集中治療医学会学術集会(横浜)の教育セミナーに話しに行きます。
タイトルは「集中治療領域における感染制御の方向性と ICT の役割」です。集中治療領域は患者の状態が悪いために感染症診療も複雑になりやすいですが、呼吸・循環を密にモニターできるために逆にアグレッシブに診療を進めやすかったり、担当している患者数が少ないので診療についての細やかな説明や感染予防策への注意を伝えやすいところもあります。院内の感染症診療レベルの向上は多くの診療科の医師が出入りし、研修医ローテイタも多いICUが起点になることも多いと思います。当院の集中治療部は私達の考える感染症診療方針に対して理解の深い先生ばかりで大いに助かっています。今のところ、症例を通しては密に関与しているICUですが、院内のコアな部門としてICUとの組織的な特別な連携体制ができているとはいえない状況です。これを起点した感染制御についてその可能性や方向性を考察したいと考えています。

2月の学会は2回とも会場はパシフィコ横浜。首都圏在住の人は気にならないのでしょうが、なんやかんやで歩かなければならない距離が長いのが正直うんざりですな。

それはそうと、この冬は昨年とうってかわってよく雪がふります。比叡山や北の方の山々の雪化粧がこんなきれいな冬は京都に来てから初めてかもしれません。