2013/05/30

2013.5.26 は京都感染制御薬剤師エキスパートミーティングで話してきました.

昨年始まった、アドバイザーを務めている京都の薬剤師のための勉強会。第4回研究会の講師にご指名いただきました。発足の時から相談を受けていたのですがこれまで参加したことはなく、どんな会になっているのか気にはなっていました。そして、今回、これまでの会の様子を聞き、私なりに考えていくつかの提案をしました。

最大の提案は「症例ディスカッションを充実したものにしよう」ということです。知識はもちろん必要ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に必要なことは「しっているをしているへ」できるかどうかだからです。症例に当てはめて考えることができて初めてその知識は"生きた"知識になるのだと思います。

なので、講演の内容もその後の症例検討を意識して固めていきました。症例を前もって確認させてもらってディスカッションのポイントを決め、それらを踏まえて改めて講演の内容を修正して、という具合に。

結果どうだったか…は
参加した皆さんが評価を下すべきものでしょうが、個人的にはうまくいったのではないかと。

しかし講演の内容に関して言うと、薬剤師の会なのにあまり(というかほとんど)薬剤の話はしなかったような気がします。薬剤師に向けて薬剤の話をしてもしょうがないといえばしょうがないですし。気をつけたのはあまり内容をあれもこれも詰め込まないようにということと、聞きながら理解してもらう時間をできるだけとれるようにということでした。

ゆっくり間をとりながら話をしていると、うまく話せてるような気がするのだけど、こればっかりは経験なのかもしれません。大事にしているのは話の流れ。いつも他人の講演を聴くとき、すんなり頭に入らなかったところは何故そうだったのか?自分だったらどう話をもっていくか?を考えるようにして、気がついたことは自分の講演に反映させることを習慣づけてるつもりです。


お陰様でたくさんの人によかったと懇親会で言ってもらいました。目新しいことを話してもやってもいないので、はやり講演〜症例検討まで全体の流れがよかったのでしょう。できれば今後も症例検討のところは継続的に関与していきたいと思っています。とはいっても講演内容との絡みがあって難しい回もあるかもしれませんが。うるさいヤツだと思われるまではとりあえず、ですな。

2013/05/23

2013.5.31は高松に行きます.

前回バンドルの紹介をしてから約2年です。
果たして現場に変化は現れたでしょうか?

カンジダ症の話なんですがカンジダ症だけに限った話のつもりはありません。感染症診療で大事なことってそういうことなのか!ということに気づいてくれる人が一人でもいれば、と願っています。

2013/05/18

2013.5.24は第9回抗菌化学療法認定薬剤師講習会(熊本)です.

第30回TDM学会の前日です. 昼に東京で会議を終えた後熊本に飛びます.
私は前回新潟で話し損ねた「TDMガイドラインの解説;抗MRSA薬」を.
http://www.chemotherapy.or.jp/seminar/pharmacist.html

熊本に一泊した後、実家に顔を出す予定です.

2013/05/17

2013.5.18は京都セプシスフォーラムです.

すっかりご無沙汰です。

もう明日となりましたが、京都セプシスフォーラムです。
今回Case Discussionを担当することになりました。このフォーラム初の試みです。
診断がはっきりしないとき、経過がすっきりしないときに、どう考えてどう凌いでいくか、というのがテーマの症例です。

どうか盛り上がりますように。

2013/01/03

2012年の終わり.

新年おめでとうございます。

前回更新した札幌行きがすっかり過去になった気がします。月日の経つのは早いとも遅いともどっちでも言えそうですが。
その前後から昨年末までのことを。

10.23は金沢医大に感染症(真菌、日和見ウイルス感染)の講義に。
10.26は認定薬剤師セミナー(新潟)でグリコペプチドTDMのレクチャとケーススタディのコメンテータとして。
10.29-30は国公立大学病院感染対策協議会で佐賀へ。
11.1は大阪に細菌検査技師の研究会で講演。血培の話、というか血培には何が現れてくるか、という話。
11.5-7は感染症学会の西日本・中日本、日本化学療法学会西日本の3地方会の合同集会で福岡へ。
11.9は某社の営業所でESBL感染症の治療について講演。
11.10は医真菌学会のスイーツセミナーの座長をしに東京多摩へ。
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11.24はMIICS VAP professional program (MVP program)で東邦大へ。
11.30-12.2はボスが会長で日本臨床検査医学会総会。ランチョンセミナーひとつと、企画・人選からガッツリ携わった細菌検査シンポジウムの司会。
12.3-4は国公立大学病院感染対策協議会の相互チェック受審。
12.7は武田総合病院での感染対策講習会。
12.8は内科学会近畿地方会で朝イチの感染症のセッションの座長、午後からの教育セミナー講師。
12.10は第3回目の地域連携合同カンファレンス。
12.17は天理よろづ相談所病院の感染対策講習会。終了後、恩師の先生と楽しい夕食会。
12.22は京都セプシスフォーラム。コメンテータのみ。


とくに11月の感染症・化療の3地方会合同集会は最終日の7日に大きな出番が3つ立て続きになっていて泣きそうでした。そのうちの1つ、febrile neutropeniaのシンポジウムは司会兼演者で望みました。
正直、前に座っていると聴衆がどう感じているか、盛り上がっているのかという実感は沸きにくいものです。他の会場の入りと比べてどうかということも当然わかりませんし。しかし、私自身その内容、ディスカッションから学ぶところが大きかっただけでなく、大御所の先生方がフロアから発言してくれたこともとても嬉しく、会場にいた皆にとって貴重な機会になってよかったと手前味噌ながら思いました。終了後になって「盛り上がってたね」「面白かった」「新鮮だった」といった感想をたくさんいただき、このような一見ディスカッションのしようがなさそうなテーマ、診療科医とのコンセンサスが得にくそうなテーマを、あえて学会で企画するということの可能性を感じることができましたし、企画者冥利につきるとはこのことだと感じました。

頭と心に残っていることをひとつひとつ書き残せていないことは残念ですが、残っていれば必ずまた浮かんでくるはずですし、その瞬間を楽しみにして、今年も励んで参ります。





2012/10/12

2012.11.16, 17は札幌2連荘です.

11.16は第8回北海道小児血液真菌症研究会(札幌)へ行ってきます。
翌17日はICD Expert Forum in Sapporoです。

学会でもないのに2連泊というのも何かのご縁でしょうか。

もう寒いでしょうけど、気に入っている北海道大学構内を散策する時間がとれそうなので楽しみにしてます。

2012/10/01

2012.10.3 第2回Osaka Infection Forumで話してきます.

タイトルは「血流感染の制御を目指す京大病院の取り組み」です。

感染制御部門が全病院的に血液培養陽性例に対して診療支援・介入するという体制には様々な利点があると思います。目に見えやすいものも、見えにくいものも。
そのような診療支援・介入を目的とするのではなく、その向こうにある目的を意識し見据えながら続けていくことができれば、院内の感染制御のレベルを上げていく効果もあると思うのです。

という話をしたいと考えています。



2012/09/23

9月ももう終わりかけです.

8月末は大変なことが起こってしまい結局サンフランシスコ行きはキャンセルにしました。

それはそれとして、9月末は講義・講演続きです。

9.24は薬学部で4回生対象の「医薬品開発プロジェクト演習I」の講義。薬学部学生相手は初めて。まだ病院を知らない4回生にどこまでピンとくる話ができるか心配ではありますが、「現代の医療現場における感染症と抗菌薬の実状」について臨場感のある話ができればと考えています。

9.25は院内で例年の看護師向けレベルアップ講習会「抗菌薬の種類と適応」。

9.28はICDエキスパートフォーラムin西東京。吉祥寺でバンドルの全国集計結果の話をしてきます。バンドルの紹介と活用のお願いに行脚したファーストラウンドが一段落ついて、この回からは結果報告と更なる進展を目指したセカンドラウンドの始まりです。

翌9.29は兵庫医科大学で感染制御専門薬剤師講習会で「結核と市中ウイルスの院内感染対策」。前半の結核の話でアツくなりすぎないように気をつけねば。

それが終わったらもう10月、今年度も後半に突入です。
出勤時に肌寒さとともに桜の葉の色の変化に気づき出す季節ですな。


2012/08/11

2012.9.8 名古屋で感染制御の話をしてきます.

タイトルは「当大学病院における感染制御〜ICTの果たす役割とは〜」です。
正直言うと、柔軟性のあるタイトルにしただけなんですが。

チーム医療はいろんな分野で展開されています。専門性のある人が英知・技能を集約させて診療科や病棟単位で対応できない医療の諸問題にあたるのは必然的だし、合理的だし効果的だと思います。が、感染症については、どの医療者も自分が当事者(要するにベクターや感染源)になりうるため、「感染症はICTに任せとけ」が成り立ちません。
なので、そういう前提で物事を捉えて活動していないと感染対策は前進しにくいのだろうと思います。
そんな点まで踏み込めるかわかりませんが、そんな感染制御の本質を少しでも深く掘り起こすことができればと考えています。

ちなみにその日の晩に羽田からサンフランシスコ(52nd ICAAC)に飛びます。
またフライト中には何か本を読破したいです。

2012/07/09

2012.7.5 ソウルでの韓国臨床微生物学会にて、日韓合同シンポジウムで結核の疫学の話をしてきました.

お世話になっている先生からのご指名で、日韓臨床微生物学会の合同企画、結核のシンポジウムの演者を努めることになりました。
お題は "Epidemiology of tuberculosis in Japan"

結核の話をするときは気が引き締まります。日本の結核の疫学については、結核予防会が毎年「結核の統計」という本を出していますから、安直にやろうとすればこの本の内容をかいつまんで話せばいいのですが、それだと私としては気が収まらないわけでして。ただ、今の仕事は結核診療の真ん中ではないので、アタマを整理し、ポイントを探ろうと、これまたお世話になっている元上司
の先生のもとへ昨今の結核事情について教えを請いに行き、情報だけでなくインスピレーションをもらって帰ってきました。

結核を減らすにはどうしたらいいか、「一人の結核発症患者から発生する感染者数(A)」x「感染者がその後発症する確率(B)」がreproductive numberであり、これを1未満にできるかどうか、ですわな。Aを減らし、Bを減らす、ことができるかどうかということになるわけで、Bを減らす手立ては潜在性結核感染(LTBI)治療しかありませんから、Aの減少を阻む因子をなくすということがポイントになります。そして、Aの減少を阻む因子はすなわち、診断・治療の遅れと不足、に他ならず、そのための行動目標を統計情報からあぶりだす、ということこそが「疫学」の価値だと思います。

今の日本の結核は減少傾向が続いてはいますが、減少率は明らかに鈍化しています。その原因を人口高齢化にのみ帰着させていいのか、そして、高齢化はこれからも進むという前提に立ったときに今の対策は足りているのか、足りないとするとそれはどこなのか、ということが話の軸になるだろうと、話す内容についてぼんやりとしたものは割と早くに固まったのですが、それを少しでもクリアに…もう少し踏み込んで…と試行錯誤してるうちに時間は経ち日は迫り、結局プレゼンが完成したのはギリギリ直前でした。

韓国は日本より数倍結核の罹患率は高いのですが、その事情についてはイメージがついていませんでした。その点、私の前に話した韓国の結核研究所の先生のお話はわかりやすく、私が日韓の違いを踏まえた話をする上でとても助かりました。

例によって、読み原稿は作らず、というか作れず、英語が口をついてでてくるようにとヒアリング+シャドウイング中心に練習し、今回もなんとかしのぎました。ただ、最後の締めの言葉だけはゴニョゴニョしないよう、前もって決めておこうと(直前ながら)考えておきました。

Anyway, we can act only against what we can see.

いつも実感していること、実践しようとしていること、そのまんまですな。


2012/05/30

2012.6.9 九州臨床感染症セミナー(福岡)で話をしてきます.


先日の佐賀に続いての九州です。
今回は土曜なので日田の実家に顔を出そうかと思っています。


座長・コメンテータ陣が豪華なのでディスカッションが今からとても楽しみです。


有名な先生ばかりなので少々気恥ずかしく、うまく話せるのかどうかわかりませんが、これまでの経験・知見を結集して、大胆に話をしたいと思います。いつものことですが、スベるのを気にしていたら、きりがありませんしね。

2012/05/26

2012.7.15-16は第10回感染症の診断と治療セミナーです. 今回は京都ホテルオークラで.

今回でめでたく第10回を迎える「感染症の診断と治療セミナー」。

親しくしている(と自分は思っている)著名な感染症医と細菌検査技師の先生をお招きして、場所を京都ホテルオークラとして、少し"記念の回"感を演出しようと思います。


2012/05/25


ICDエキスパートフォーラム、引き続き行っています。

2月は新潟、3月は神奈川、今日は筑波へ。


2012/05/23

2012.5.17は佐賀院内感染研究会で話してきました.

わりと近くの出身なのに、鳥栖や唐津には何度か行ったことがあるのに、佐賀市は意外にも生まれて初めてでした。

今回、新たな抗MRSA薬が登場したことを受けて「MRSA感染症診療と抗菌薬適正使用のピットフォール」というタイトル。
例によってどんなタイトルどんなテーマでも、詰まるところは診断、というお話でした。

診断があやふやでも治療は進めなければならないし、それで何とかなることもある。勝ちに不思議の勝ちはありますから。
でも、それで何とかなっていると思っていると真の診断はますます遠のいていきます。従来からの標準薬(それが標準でありつづけていることにはそれ相応の意味があるわけで)をとことん使い込むことがそれ以外の薬剤の使いどころを知るために不可欠なのだと思います。

「どう使い分けたらいいんでしょうか?」という質問がよくあります。
標準薬ではどういう時にうまくいかないか、ということがはっきりしないていないのであれば使わなくてもよろしい。薬が出たからといって使わなければならないという決まりなんてありません。
とは言いませんでしたが、まあぶっちゃければ要はそういうことだと思います。
というようなことを再認識できるのも講演を引き受けてよかったと思うひとつの理由です。

行きの特急かもめからみた佐賀の山々は近く、青く空は青く広く、半ば見上げるような角度でずっと窓から眺めていたら首が痛くなっちゃいました。
話している途中は感じなかったですけど。



2012/05/17

2012.2.1は綾部で結核の話をしてきました.

綾部市立病院の院内感染対策講習会で「病院全体で取り組む結核の院内感染対策」というタイトルで話をしてきました。

結核の話は昨年11月の奈良での学会のICD講習会で話すことになり、その時に自施設での事例を含めて内容を作り直しましたので、その発表内容をかみ砕いた形で。

高齢化が進んでいく中、しばらくは結核の減少は足踏み状態が続くことと思います。だからといって日常臨床で頻繁に遭遇するわけでもありません。このような"頻度は低いけど見逃すと影響の大きい事象"にどう対処するか、は感染症はもちろん医療にも限らない、大きなテーマのひとつでしょうね。

研修医の時、指導医だった先生と結核の話をしていたときに「感染症っていうのは結局伝染病だから」という言葉を聞いて頭の中で何かパッと光が灯ったような気がしました。それが感染症でやっていこうと思った大きな契機のひとつです。ということもあり、最近は結核病学会での発表はあまりしていないのですが、ありがたいことに評議員に入れてもらっていますので、どんな形であれ、自分のできる限りこの学会というか結核医療の領域に貢献し続けていきたいと思っています。



2012/05/16

久々です。2012.5.11 宝塚市立病院の感染対策研修会で話してきました.


知り合いの某先生から御依頼いただいて、宝塚まで行ってきました。
名神から中国道に入って京都から1時間で無事到着。

立派な講堂でたくさんの方に来ていただいて気持ちよく話ができました。

その先生はこちらの病院に移られてからまだ1年くらいなのですが、すっかりしっかりリーダーシップを発揮して院内の感染対策、感染症診療を大きく進歩させていました。その報告が最初にあったのですが、こんなふうに変わっている!という結果が共有できるとさらに進むのだろうなと頼もしいというか、今の自分たちはこの程度でいいのかという焦りというか、ちょっと複雑な感じでした。内容はいつも通り、感染症診療の基本的な考え方・進め方で、この病院の皆さんには今更感のある話だったかもしれません。でもそこは、似た話でも違う人から聴くと印象も違うだろうと開き直って。

大学病院のくせに…と言われないようにしなければ、と逆に刺激になった会でした。

講演はひさびさじゃないですが、投稿は3ヵ月以上空いてしまいました。
2月からの講演録、ちびちび書いておいつかないと、です。こゆのは直ぐ書いておかなあきまへんな。


2012/01/28

2012.1.28 第13回肝移植術後管理検討会 (京都) の初っぱなで少し話しました.

「肝移植後感染症の特性と対策」とのタイトルで、普段の現場で感じている問題点と今後の方向性について話しました。わりと学会に近いスタイルの研究会で、他の演者の先生方の発表と比べると講演っぽくて若干浮いていたかもしれませんが、まあそこはご愛敬で。

しかし15分じゃ何も話せないですね。

実は余裕があったら発表の中で移植外科医に是非とも提起したかった問いがあって「敗血症様の状態のとき(感染免疫を賦活を狙って)免疫抑制剤を減量・中止するため拒絶反応が起こって感染症治療の効果判定が難しくなる。減量・中止すべきじゃないのではないか?」というものです。そうすると発熱・炎症反応亢進が起こるので、開始した抗菌薬が無効では?→広域薬or抗菌薬併用へ、となりがちで"やりすぎ抗菌薬"の大きな一因になっています。

これから懇親会で偉い先生方もたくさんいるのでなんとか聞いてみようと思います。

…聞いてきました。

「かつてから感覚的にそうしているがはっきりとした根拠はない」とのこと。また、免疫抑制剤を減らして肝機が悪くなると感染症が治らないし、減らすべきではないのでは?と感じているとのことも。某大の先生に至っては「そう思うから自分は減らしていない」と。

聞いてみるもんですね。頭の中で暖めていれば聞くチャンスってくるもんですね。


2011/12/31

2011年が終わります.

今年もまた怒濤の11月、12月でした。所感を…もなにもどこで何を話したのか振り返るだけでいっぱいいっぱいでした。

11.12は第14回レジ感(メルパルク京都)。11.14-15は国立大学病院感染対策協議会の相互チェックで宮崎大学病院へ。
11.19は来年うちのボスが会長を務める第59回臨床検査医学会総会のプログラム委員会で岡山に出向き、いろいろと企画案を話合ってきました。
11.24-26は奈良で化学療法学会西日本地方会・感染症学会中日本地方会の合同学会。初日に第132回ICD講習会「忘れてはならない結核」で結核の院内感染対策の話をし夜は評議員懇親会に出席。翌日は感染症学会の卒前・卒後教育企画「症例から学ぶ感染症セミナー〜症例の問題点から研究的考察へ〜」の司会と解説(カンジダ血症の疫学と病態因子)。最終日には指導した研修医の発表「京大病院における敗血症発症時の3点セット (血液培養・尿培養・胸部X線)実施の啓発と診療の適正化」と気の休まらない3日間でした。
11.29は院内の看護師対象のレベルアップ講習会「抗菌薬の適応と選択」

12.1は第32回臨床薬理学会年会シンポジウム3「臨床薬理と最新治療:感染症」で浜松へ「抗真菌薬の血中濃度モニタリングは必要か」
12.2は信州感染症フォーラムで長野「院内肺炎・NHCAPの診断と治療」
12.15はICDエキスパートフォーラムin千葉。
12.16京都臨床検査技師会の微生物班の講演会「深在性真菌症の診断と治療・検査の役割」その後忘年会にもお招きいただきました。
12.20は神奈川県病院薬剤師会 中小病院診療所委員会のTDM研修会にて「抗菌薬の適正使用とTDMの標準化を目指して」の題で抗MRSA薬の話を。
12.22は厚労省の研究班会議で東京「移植等の易感染性患者に発症する深在性真菌症の臨床疫学研究」

自転車操業ってこういうのを指すんでしょうか…

やっていることが少しずつリンクしてきて嬉しい反面、院外活動が増えすぎてきたのが今年の反省点と言えるかもしれません。

そういう来年初頭の予定はというと、

1.22は第23回臨床微生物学会(パシフィコ横浜)でベーシックレクチャー12「日和見感染の制御のための戦略」
1.28は第13回肝移植術後管理検討会(メルパルク京都)で「肝移植後感染症の特性と対策」
2.1は府内の公立病院の院内感染対策講習会で結核の院内感染対策の話をしに。
2.4は第27回環境感染学会総会(福岡国際会議場)シンポジウム15「医療関連感染アウトブレイク〜発生から発生後対応の実際に学ぶ〜」にて検査部におけるアウトブレイク防止対策を、トンボ帰って第15回レジ感(メルパルク京都)
2.9はICDエキスパートフォーラムin新潟。
2.24は第34回造血幹細胞移植学会総会(大阪国際会議場)のワークショップ8「移植関連臓器合併症の臨床」にて「造血幹細部移植における難治性真菌感染症の診断と治療のあり方」を。
2.28は第39回日本集中治療医学会学術集会で開かれる第1回MIICS (Master College of Infection Disease For Intensive Care Specialist)「ICU感染症患者を救うために」の座長をしに幕張メッセへ。

予定は入っちゃってるので反省が反映されるのは年度が変わってからですな。

来年度は新しい大学院生も入るので、これまでやってきたことの各々に芽を出させ、成長させられるような年になんとしてもしたいものです。


2011/11/04

2011.11.02 神戸の病院にて話してきました.

大学院に入るまで勤務していた病院での先輩がICTをしている病院(神戸市立医療センター西市民病院)にて「病院間連携による感染制御と感染症診療のレベルアップ」というタイトルで講演してきました。

病院間連携と感染制御・診療とは一見すこし離れたテーマですが、リクエストがそうだったということでこのようなタイトルになりました。

感染症は伝染って拡大する病気であることは新型インフルエンザを引き合いにだすまでもなく、ノロウイルスでもSARSでも同じことです。これらような自分の身に迫る危険感じる場合には感染制御や病院間連携を意識して、MRSAやESBLの時は感じないというのではプロフェッショナルではないと思います。

すぐ周りの感染制御ことを深く考えて実践していく延長線上で地域医療との関係の重要性に気づく、そこが感染制御における病院間連携のスタート地点なのだろう、と感じてもらいたかったのですが、病院間連携についての具体的なネタはあまりなくてまとまりがない話になってしまったかもしれません。それはわかっていたので、むしろ病棟内・病棟間の感染制御のことを深く認識してもらうことでまったく同じ構図が病院間、地域間、国家間にも当てはまることを感じてもらえればと思いながら話しました。

研修医に多く参加してもらっていたのは嬉しいことでした。ただ、研修医はまさに目の前の患者のことを超えたところまで思いをはせるのは難しいでしょうすね。中堅以上の医師が、研修医がそんな診療を自然にできるような空気をつくっていくことが肝要なのでしょう。

その先輩先生の撮ってくれた写真、自分の講演している光景のって意外ともらうことがないので、感謝の意も含めはずかしながら載せてみます。ちゃんと真剣な顔してますかね。

2011/10/29

2011.11.5は抗菌薬適正使用UPDATE (京都)です。

私の出番はないのですが、指導した研修医がトピックスでしゃべりますので行ってきます。

ローテイトしてきた研修医に、研修期間中にひとつテーマを決めて検討してもらう、ということを以前からずっとやっています。貴重な研修期間ですから何か形の残るものを、ということが目的のひとつ。勉強したい、知識を得たい、という気持ちでローテイトを選択してくれるのはとてもありがたいですが、この「勉強」というのは知識の取得ではなく、問題(テーマ)を明らかにして現実のなかでその解答を探る、というトレーニングだと思っています。なので、いつもテーマの設定に一番時間をかけています。研修医の感じた診療における漠然とした疑問が出発点ですが、それをいかに具体的な臨床的設問の形にするか、研修医に問い続けながら研いでいっています。お互いになかなかの負担なのですが、テーマが明確であればあるほどできあがったものの中に真実が見えてくる。どんなテーマでどんな結果であってもその感覚が新鮮ですし、その一連を研修医にも感じてもらいたいと思っています。