2010/12/18

10月末からのいろいろ

予定通りですが、10月末から次々にイベントがあって、アップするヒマというか気分的な余裕がありませんでした。列挙してみたらたくさんでしたのでとりあえず、少しずつ。


10月28-29日は国立大学病院感染対策協議会で幕張メッセまで行ってきました。全体としては例年通りでしたが、今回は数年来なかなか話が進んでいなかった、この協議会全体として外にエビデンスを出していくというひとつの方向性が定まってきました。常から何か物事を発展・向上させようと思ったときにはリアリズムに徹することが一番大切だと思っています。自分たちの感染対策がうまくいっているのか、問題があるのか、あるとすればどこにあって何をどうすることでそれを改善しようとするのか、これら全てに共通する出発点は、今現在の自分はどこにいるのかを客観的に見つめて現実を認識することだと思います。そしてすべてはそこから始まるのだろうと思います。その場所を確認したい、自分が確認するだけでなくて参加する各大学病院に確認してもらいたいというのが今回の協議会で提案した調査研究の主眼です。研究と銘打つともっと発展した話(比較研究、介入試験など)に考えが行きがちですが、それが可能なことか、我々にまず求められるのは何なのかを厳しく見つめるとやはりまずはこのような内容ではないかと考えています。いきなりバック宙しようとせずにまずは前転をきれいにできるように。スタートですので堅実に進めていきたいものです。


11月1日は横浜に深在性カンジダ症についての講演に。会の前にホスト側の先生方とお話ししていて、先の続きではないですが、やはり我々は意識していないと自分自身のいる位置が見えにくいものなのだろうなと思うようなことがありました。血液培養2セットどれくらいとられていますか?当院ではようやく40%くらいです、とお話ししたところ「うちはだいぶ(2セット)とってるよ。ほとんどじゃないかな?」とのこと。すごいですね、80%越えてますか?と聞き直すと「パーセントなんて出したことないけど。コンサルト来た症例で2セット採ってないことなんてないんじゃないかな」と。病院内で1セットしか出さずに見逃している菌血症がどれくらいあるのか?コンサルトといっても大きな病院の敗血症症例で数名の医師がコンサルト対応できる患者数はどんなにがんばっても3割も行かないだろうと思います。我々は自分の目の前の窓から世界を見ていますが、その窓がどれくらいの大きさなのか、その奥は本当はどれくらい広いのか、自分から見えない世界がどの程度あるのかを考えること、自分の見えている範囲は限られているということを認識することはやはりリアリズムだと思うのです。テーマのカンジダ症に関して自分の思う問題点もそうですし、考えてみると私がする講演のすべてはこのような観点に立っているような気がします。


こんなペースで書いてたら最近の分までどんだけ長くなるねん、なので今日はここまで。