2010/02/08

2010.2.6 第94回京都実地医家の会例会でお話ししてきました。

今シーズンめずらしく雪模様の日でした。

タイトルは「呼吸器感染症に対する診療アプローチと適正使用の考え方」でした。
外来診療で上気道炎に対して診断=最適治療が何か、を追求しているか、という(偉そうですが)問いかけが主旨です。


固定給をいただいている勤務医と日々の診療がダイレクトに収入に反映する開業医との間では感覚に多少ギャップが生じるところもあるかもしれませんが、患者にとってのベストを尽くすという使命感は同じでしょうから、私の話す内容も伝わったのではないかと思います。
忙しい外来で全ての上気道炎患者に対して厳しく診断を追求するのは無理があるかもしれませんが、いわゆるかぜ症候群に対して抗菌薬を"念のため"に投与することが、いきなりゼロにならなくても、今の1/2でも1/3にでも少なくなればと願うばかりです。

最初は「ほんとは抗菌薬要らないんじゃないのかなあ・・・」と思いながらしぶしぶ処方していた医師も、患者の希望や一抹の不安に押されているうちに一度処方がルーチン化してしまうと、意識しないうちにメンタルな防御反応によって徐々に「抗菌薬投与した方が患者の反応がいい」「肺炎の予防になっているはずだ」というふうに思い込んでしまう、自己矛盾した行動に普通の人は耐え続けられないので自分を納得させられるようにそう言い聞かせているうちに本当にそう信じてしまうようになってしまったというようなことはあると思います。
ということ、前から思っていましたが、質問に答えているうちに、流れで口に出してしまいました。

次にレジ感が迫っているため自分の講演が終わるやいなや会場を後にしなければならなかったのが残念でした。レジ感もエキサイティングでよかったですけど。