2010/04/10

2010.4.7 病院のカンファレンスで感染制御部について話ししました。

テーマは当院における感染制御部の介入による感染症診療の適正化です。
感染症は診療科を問わずに発症するため、病院全体の診療レベル向上を図る必要があります。耐性菌アウトブレイクの話の中でスイスチーズモデルを引き合いに出しましたが、院内感染、医療関連感染も同じモデルで捉えることが可能だと思います。血液培養を端折ってしまった、抗菌薬の投与量が微妙に少なかった、ガーゼ交換を素手でやっちゃった、カテーテル抜去が1日遅れた、緑膿菌感染が否定的なのに抗緑膿菌薬を続けてしまった、呼吸回数が増えてたのにSpO2だけみて重症を見逃した、、、これらが一枚一枚のチーズの穴にあたります。このような、単独でのインパクトが認識されにくい不足のひとつひとつをどうやって埋めていくのかというのが難しい課題です。教育・啓蒙だけでなく、病院のシステムとしてこれらの穴を一枚一枚塞いでいく、そのシステムが感染制御部であろうと考えています。

主な対象が必ずしも感染症に関係していない検査部の技師さんたちだったので言葉を費やしながら話していたら時間が足らなくなり最後の方でダッシュしてしまいました。申し訳ないです。院外では何度もしゃべった内容なのですが、逆に院内ではここまでじっくり話したことはかったかもしれません。今年は院内の講習会を充実させていく予定なので全体講習会の場で少しずつでも話すことができればと思っています。