2010/05/17

2010.5.14 釧路ICTセミナーで話してきました。あと、2010.6月の予定など。

案内
今回いつもより強調した点は、数値化することの意義、です。自分の講演を振り返って、特徴の一つは自分たちの集計した値を重視し、それを根拠にして(もちろんすべてではありませんが)話を作っているということだと思ったことがいくつかある理由のひとつです。値そのものもそうですが、自分たちの値が欧米や国内の他の病院と比べてどうなのか、有意差があるのかないのかなどということはポイントでも何でもなく、すべての実践を自分たちの現状を自ら把握するところからスタートさせる、という点こそが普遍的に重要なポイントだと思います。

何をどうやって集計するのか?という質問を受けましたが、私が話しているもの(話に使えると思うもの)はすべて日常の実践のなかで必要に感じて集計をとったものばかりです。自分が思うような方向に何か物事を改善させたい時、必要なのは改善させたいという熱意だけではありません。変えようとしているものが自分自身ではないからです。なぜ変えなければならないのか、どこがどう変えなければならないような現状なのかを、変わってもらいたい人に納得してもらえなければしかたありません。さらに、自分のやってることがうまく伝わって変わっていっているのか、それともやってることはムダなのかを自分で知らなければなりません。思ったように変わったことを単に喜びたいという気持ちも正直ありますが、でも主な目的はあと二つあって、その一つは、このやり方がうまくいくようだと同じ問題をかかえる人に伝えられるかどうかを確かめたいということ。もう一つは、もしうまくいっていなければやり方を変えるかその問題を一時放っておくかしなければならないということです。やりたいこと、やらなければならないことはいつでもできることよりたくさんあります。一方、限られた貴重な時間をつぎ込む労力の割に成果のなさそうなことに少なくとも同じやり方のまま費やすことはできません。医療に関わっている以上、ほとんどの実践は時間も含めて常に自分自身のためのものではないからです。

そんなことを最後に補足的に説明できたことで、全体としてのメッセージという「画像」を「自動レベル調整」できたようなすっきりした気分を感じました。

釧路は最高気温10℃!と聞いてビビってましたが、2日間とも比較的穏やかで気持ちよかったです。帰りにほんの少しですが時間が空いたので、こちらのICTの方に教えていただいた空港そばの丹頂鶴自然公園に立ち寄りました。生まれたばかりの雛鳥のケージに群がるエゴイズム丸出しのカメラマン達と、人少ない他のケージにいた鶴の面白い動きをじっくりと観察することができました。まあ、どちらかと言うと、こちらの人にとってはなんてことないらしい道東の遅い春の光景、とくに独特な山や木々の色合いがとっても新鮮で印象深く残ってます。

5月はまだ半分ですが、あと講演等の予定は外勤先での研修医向け講習がひとつとレジ感のコメンテータを残すのみになりました。6月は、学会関係のセミナー二つとシンポジウム一つがあって長崎と札幌へ、他には、細菌遺伝子タイピングの研究会(大阪)と国立大学病院感染対策協議会のブロック研修(津)での口演が各一つ、個人の講演としては10日に千葉県は木更津へ。あと、保健学科の講義もどっかに入ってましたな。あと、横浜にサンフォードガイドの話をしに行くかも。こう列挙すると今から疲れた気分になっちゃいますが、まあ、このようないろいろな機会をいただけるのはありがたいことです。