2010/09/25

2010.9月が終わりかけてます。

院内での対策に手を取られていることもあり、9-11日の3連チャン後もなかなかです。

9.16は口腔外科にてミニレクチャー。
症例コンサルトの時に感染症・抗菌薬に興味をもってくれた若手医師の先生のおかげで実現しました。以前も書いた気がしますが感染症は簡単でも難しくもありません。簡単と思い込んでいる人にとって突如として難しい顔を見せる病気です。難しい症例はありますが、これらに正しく対処できるかどうかは、よくある感染症を普通に診断し、普通に治療する、このような基本問題とでもいうべき症例の経験をいかに積み重ねられているかで決まってきます。抗菌薬の使いやすさやCRP頼りの治療はこれをとばしてしまう作用、感染症を簡単なものと誤解させる作用があり、それが感染症診療レベルの向上の足かせになってしまっているというところはあるでしょうね。ともあれ、このような企画はこちらが開催して呼びかけても思うほど人が集まらないものでして、日常診療もこんな出張レクチャの機会が増えるように意識しながらやっていきたいです。

9.21は院内感染対策講習会。呼吸器内科の先生に主役で話してもらい、私は脇役で結核の院内感染対策について最後に5分だけ話しました。今年度の講習会は2つの講堂(一つはビデオ中継)で開催していますが、毎回立ち見のでるほどの聴衆に恵まれており、とてもうれしく思っています。いろいろな感染症について院内感染対策の話をすることがあるわけですが、スライド作ったり話したりしていると病原体の種類は違っても対策の本質は見事に一致しているなと感じ、こんなふうな普遍性を感じると感染症への視界がまた少し開けたような気がしてきます。こうした形で理解が深まると感染症はまた楽しく(というと語弊ありますが)なるので他のICTメンバーにもどんどん講習会の講師をやってもらいたいと言っているのですけどね。頼むとたいがい嫌がられてしまうのどうしたらいいんでしょうね。

来週9.28は看護師レベルアップ講習会です。毎年同じタイトルで「抗菌薬の適応と種類」。抗癌剤の適応なんていうタイトルの講義なんてないでしょうし、抗癌剤は種類がいろいろあってわからないという質問も聞かないですな。だからここでも抗菌薬がどうこうと言いつつ実はやっぱり診断!という話です。
この日はこれが終わったら新幹線飛び乗って東京へ。多剤耐性アシネトバクターの某大学病院でのアウトブレイクを受けた厚労省主催の大学病院の感染対策担当者に緊急招集のかかった会議です。眠たい話じゃなかったらいいですけど。


10月は7日に県立尼崎病院で講演会、14日に金沢医大にて感染症学の講義、16-17日は東京で医真菌学会(セミナー2つとICD講習会)、月末28-29日は千葉にて国立大学病院感染対策協議会。11月、12月は学会が2つずつ。シーズン到来って感じで、ひとつひとつ書いていく余裕もなさそうです。