2010/06/13

2010.6.10 君津木更津地区 感染症セミナーで話してきました。

タイトル、内容ともに先月の釧路での講演とほぼ同じものにしました。このような時は話し方が少しなめらかになっているような気がします。

私の講演は概ね、診断、治療、予防の間の密接な結びつき合い(これが感染症ならではだと思います)を理解してもらうように意識した展開で講演をつくっています。そして、それらを改善、向上させるには自らの今の状況を把握しなければならない、それが数値化する意義、サーベイランスの目的であるということをバックグラウンドに流しているようなつもりで話をしています。

現場にはいろいろな問題が潜んでいますが、どのような種類の問題であっても、これらをいい方に向けるにはまず、可能な限りその問題の本質を掘り下げて考え、漠然とした問題をより具体的かつ特異的な問題に置き換えていく作業が必要です。これが具体的な行動目標の設定につながります。診療上その根源は診断の不足にあると感じるところが大きく、そのため講演の中で血液培養の重要性を結果として強調することになっています。血培をとるようにすることだけで解決できる問題は大きくはないのですが、そのことが診断への追求度の指標になることは間違いないと思うからです。

そしてどの病院に行ってもいろいろな問題に取り組むICT担当の方の使命感はひしひしと感じることができます。その力をひとつでもふたつでも小さなものでもいい、何か具体的な指標がいい方向に「変わる」という実感にもっていってもらいたい、その変化が現場の意識までをも変えていく原動力になるのだろうと思います。そして次にお会いしたときにそのようなお話を伺うことができればといつも願っています。

講演終了後は海ほたるを渡って品川のホテルに泊まりました。始発で出なければならなかったので早起きすると、窓からの東京の朝焼けはきれいですがすがしく、ほんのちょっとだけですがまだ人気のないホテルの周囲を歩きました。大都会でも人の少ない時と場所の雰囲気は好きなんですよね。