2011/03/12

2011.3.12 第41回日本嫌気性菌感染症研究会(西宮)に行ってきました。

今日は朝から兵庫医科大学まで第41回日本嫌気性菌感染症研究会に行ってきました。平成記念会館というきれいな建物でした。

お役目は一般演題の発表ひとつと、教育講演の司会です。

一般演題は腹部・泌尿生殖器の放線菌症についての検討でした。マンデルという感染症の有名な教科書があるのですが、その中で "the most misdiagnosed disease"とか "no disease which is so often missed by experienced clinicians" とか書かれてあって、初めて読んだときから引っかかっているのがこの放線菌症です。ここ数年を思い出して、放線菌症を疑った症例は何例もありますが、本当にそうだった例は非常に少ないです。1つ典型例が記憶にあるのですが、私の担当ではなかったこともありますが、鑑別に挙がっていながらうまくその疑いを活かせなかった例でした。頻度の低さ、抗菌薬がよく効いてしまう点、肉芽腫性病変のため炎症反応に乏しい点など診断しにくい特徴がそろっているのが、とくに腹部・泌尿生殖器系の放線菌症だと思うので、気を引き締めるためにもと思って前々から気になっていたこのテーマにしたのでした。

で、実際やってみるとやっぱりいい勉強になったなぁと。学会でしゃべる以上に勉強になるものないですな。

ここ数年の該当例を拾い上げて簡単にレビューしただけですが、新たな発見がいくつもありました。それだけでなく、上に書いた例も患者はよくなったとはいえもっとうまく直せたはずだと反省もしました。

こんな機会はもっともっとみんなにやってもらいたいなと思っているんですけどね。えらそうなこと書きつつ、今回演題出したのは縁のある先生に頼まれたからで、ちょっと強引に絞り出したところがあるのですが。

我ながらなんですけど、ある意味ではやらされたとも言えるようなことであってもそこから多くを得られるかがその人の技量ですわな。自分のやりたいことをやり続けていくことはもちろん大事ですが、そこからちょっと道草してみると、それは道草ではなくて新たなルートだったり、そのことがめぐり巡ってやりたいことにつながってきたりします。そんな経験をすると、やらされ仕事のもつ意味がまた変わってきます。とはいえ、こんなのがワーカホリックゆうんでしょうか。

プログラム最後は教育講演の司会でした。司会ってのは経験が乏しく不慣れなので、演者の先生の紹介やディスカッションの進め方、最後の締めなど、いまいちたどたどしくて不完全燃焼感を感じるのですが、今日はフロアからの発言がたくさん出たこともあり、今までになくうまくいったと思います。成長の過程ですな。

そして今日は、心身ともに無事仕事ができたこと、いつも以上に感謝の気持ちでいっぱいです。

明日もがんばります。