2011/10/21

2011.9.3 医工連携人材育成セミナーで講義をしました.


前回からもうずいぶん日が空いてしまいましたが、ぼちぼちと更新しようかというところです。

すでに何年目でしょうか。毎年1回、医工連携人材育成セミナー(これ自体は3回目ですが)で「大学病院における臨床検査の現状と将来展望」というタイトルで医療や機器関係の社会人を対象に講義をしています。検査部に属していながら、というか属しているからむしろ、というべきか、なかなか難儀なテーマです。検査というものは診断と治療を進めるための道具ですので疾患概念や治療法が変われば検査もそれに合わせて変わっていくというたぐいのものであり、検査だけが進歩するということは通常ありません。理屈では、先端技術を駆使すれば新しい検査法が生まれるわけですが、それを活かす医療の場がなければその方法は宙に浮いているだけのものとなるでしょう。

ただ堅く言えることは、情報管理という側面での進歩幅は大きいだろうということです。かつて紙の報告書を紙カルテに貼り付けていた検査結果は完全にデジタル化しています。デジタル化した情報はユビキタス化するという必然の中で、どのように検査結果を管理する(あるいはしない)状態に向かうのか、向かうべきなのか、ということについては考えさせられるところが大きいです。実際講義終了後の質問もこのポイントを突かれました。ただ、これは検査に限ったことではなく診療情報のすべてに当てはまることなので、個人的な将来予想を語ることはできてもそれ以上には話しにくいというのが正直なところです。だれかこういうことを真剣に考えている人達はいるのか?という素朴な疑問がわいてきます。

とまあ、このようなことを考える機会、というが私にとってのこの仕事なんですね。